サーストンは人名(Louis Leon Thurstone.1887-1955)
ほかの方々のページを見てもあまり簡単な説明がなかったので、わかりやすく説明します。
また、注意点も説明します。
まず、言葉だけで説明します。簡単に言うと、対象となるものの順序を決めたい。定量的な尺度で決めたい。というときに使います。
例えば5つ。A,B,C,D,Eの絵があります。評価指標「評価語」はなんでもよいのですが、例えば好きかどうかにします。評価する人(被験者)は30人。とします。
アンケートで、A~Eを並べてください、などといっても、みな同じ順番になるかわからいし、違う順番がでたらどう扱ってよいかなどわかりにくいところがあります。
そこで、A~Eの総当たりを行います。この場合、5×4=20でA 対B とB対Aは同じなので回数を半分にして10回となります。(このことを 5C2=10などと書きます。)
この、総当たりを、評価する人全員におこなっていただきます。
その結果が以下のような結果だとします。
| 第一 | 第二 | 30人のうち 第一のほうが 好きな人数 | |
| A | vs. | B | 21 |
| A | vs. | C | 16 |
| A | vs. | D | 8 |
| A | vs. | E | 3 |
| B | vs. | C | 10 |
| B | vs. | D | 12 |
| B | vs. | E | 12 |
| C | vs. | D | 4 |
| C | vs. | E | 8 |
| D | vs. | E | 9 |
これを行列にします。
| 第一 | ||||||
| A | B | C | D | E | ||
| 第二 | A | 9 | 14 | 22 | 27 | |
| B | 21 | 20 | 18 | 18 | ||
| C | 16 | 10 | 26 | 22 | ||
| D | 8 | 12 | 4 | 21 | ||
| E | 3 | 12 | 8 | 9 |
第一が好きな人数を左下に書き、第二が好きな人数を右上側に書きます。
これを被験者数(今回の場合は30人)で割って割合にします。
| 第一 | ||||||
| A | B | C | D | E | ||
| 第二 | A | 0.30 | 0.47 | 0.73 | 0.90 | |
| B | 0.70 | 0.67 | 0.60 | 0.60 | ||
| C | 0.53 | 0.33 | 0.87 | 0.73 | ||
| D | 0.27 | 0.40 | 0.13 | 0.70 | ||
| E | 0.10 | 0.40 | 0.27 | 0.30 |
1対ごとのこの値を正規分布の累積分布確率と考えます。
エクセル関数では”norminv(割合、平均、標準偏差)”です、相対値なので平均=0,標準偏差は1でよいです。
| 第一 | ||||||
| A | B | C | D | E | ||
| 第二 | A | #NUM! | -0.52 | -0.08 | 0.62 | 1.28 |
| B | 0.52 | #NUM! | 0.43 | 0.25 | 0.25 | |
| C | 0.08 | -0.43 | #NUM! | 1.11 | 0.62 | |
| D | -0.62 | -0.25 | -1.11 | #NUM! | 0.52 | |
| E | -1.28 | -0.25 | -0.62 | -0.52 | #NUM! | |
| 平均 | -0.32 | -0.37 | -0.35 | 0.37 | 0.67 |
この平均が、1次元の順序値になります。
意味を解説します。
好き嫌いの尺度を横軸にとって、30人のヒストグラムをとると、正規分布に並ぶとします。そうするとこの割合は正規分布で好き嫌いの尺度のどこ程度なのかがわかります。
試しに、AとBでは7割の人がAのほうが良いと言っています。

これは、横軸にBよりもAが好きな人の割合を取ったときの図です。30人のうち21人が好きといったということは、70%がすきといったということです。もしも15人の場合だったら、50%となり、どちらが好きかわからないので、度数は0となります。平均より6人多いので、正側になり、正規分布から考えると0.52となります。これはBよりAがすきな割合ですが、同様に、CよりA、DよりA、EよりAが好きと感じる度数が出て、その平均が平均的にAを好きと感じる度数となります。
注意点
サーストンの一対知覚は、試験も簡単で、直感的にわかりやすいので、一度覚えると有用ですが、注意点が2つあります。
・100%、0%の場合、値が発散する。
正規分布を見ればわかるのですが、100%、無限大に発散します。0%ではー無限大となります。
これは、例えば、”誰が見ても全員BよりAが好き” というものは、値が発散してしまい、この方法が向かないことを意味しています。
・それぞれの平均割合を必ず満足するとは限らない。
1次元に無理やり押し込める方式ですので、行列の結果を必ず反映するわけではありません。
その場合、MDS(Multi Dimensional Scaling)を用いて、2つ以上の価値軸がある場合(例えば実は好きにも、金額的価値と愛があるなど)を分解していったいくつの軸があるのか、調べたほうがよいです。
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